疑問に思っていること

皆さん,いつも楽しませていただいております.先日より,大島先生のところで話題になっている件で,疑問に思っていることがあります.

・酸性土壌になることで,子実体の発生が減少していること.

日本では戦後の工業の発展に伴って酸性雨による土壌の酸性化が問題になっていることはわかります.酸性環境では子実体形成がなされなくなることも理解できてます.そこで質問なんですが,現在マツタケが収穫されているような北朝鮮,韓国,カナダなどでは酸性雨の問題はないのでしょうか?酸性雨はローカルな問題であれば,日本中で土壌の酸性化が起きていると考えるのには無理がありそうですが...

・赤松林の整備について

赤松の生育地は落ち葉を取り除くという整備が必要ということで活動しています.マツタケを生産している他国でも同様の整備がなされているのでしょうか?在米中にコロラドやカナダで取れたマツタケを入手しましたが,赤松山の整備などは聞いたことがありません.日本だけが環境整備をしていて,他国はしていなくてもマツタケが生えてくると考えられるのでしょうか?単に私が知らなかっただけならいいのですが...

今回はこの二点について思っていることを書いておきます.植野

疑問に思っていること」への2件のフィードバック

  1. 植野先生、記事登録ありがとうございます。
    東アジア、北米にみるマツタケ育成との比較検討が必要であるという意見かと思います。

    >野村さん 情報の調査をお願いします!!

    皆さんの闊達な議論を忌憚なく行っていくことがこのホームページの趣旨でもありますので、皆さんのコメント登録や記事登録をお願いいたします!!

  2. [会員専用ダウンロード]中、
    「カドミウムの土壌中での吸着と溶出について」という資料の3.に、
    【土壌の酸性化の要因及び酸性緩衝(中和)能について】という、
    環境省のレポートがあります。
    この中で
    >>>日本の 500 地点の土壌の酸緩衝能(ANC:Acid-neutralizing Capacity)
    の地域的分布を明らかにしている。
    表 5 に日本の土壌別に測定した結果をまとめているが、
    同じ土壌でも ANC には大きく差があることがわかる。
    また、関東地方は ANC が高い地点が多く、
    関西や中国地方は低い地点が比較的多かった。

    □①:グライ土
    +②:泥炭土
    ◇③:褐色低地土
    △④:褐色森林土

    林野庁の森林衰退調査事業では 1000 カ所以上の地点の
    森林土壌分析データが蓄積されており、
    それらは森林総合研究所養分動態研究室でまとめられている。
    森林土壌の pH(H2O)の分布は、3.5~8.1 の範囲にあり、
    平均値は 5.1 であった。
    >>>
    という記述があります。
    日本では、関西や中国地方はANC(酸緩衝能)が低い地点が多かったとあります。
    末尾掲載の引用元に当たらないと、人工酸性雨の成分も不明ですが、
    同じ土壌でも、場所によってANC(酸緩衝能)に 高低があるようです。

    数週間前、韓国では「尿素不足」で、ディーゼル車による物流に
    支障をきたしているというニュースがありました。
    ディーゼル車の排ガス規制により、最近のディーゼルエンジンには、
    排出ガス中のNOxを減らす為に、尿素が不可欠です。
    尿素の原料は石炭で、
    日本の尿素自給率は80%、韓国は中国に100%依存していて、
    中国は韓国に対し影響力をアピールして、
    クワッドにすり寄っていきそうな韓国を引き戻す為に、
    意図的に尿素の供給を止めたが、冬季五輪が近づくにつれ、
    そのような動きが、中国の存在感を高める効果よりも、
    五輪ボイコットに繋がるという判断を中国共産党政府が下し、
    韓国に対して、尿素を再供給し始めたという、綱引きの構図があったとか。
    いろいろな事が、いろいろなところで繋がっていて、
    兎に角、ディーゼル車の排ガス規制により、
    最近のディーゼルエンジンは、排出ガス中のNOxを減らす尿素を積んでいて、
    酸性雨の元凶とされるNOxは、ディーゼルエンジンからの排出に関し、
    尿素を使って抑えられているようです。

    また、地搔きですが、コロラドやカナダよりも、日本の森林のほうが、
    生物多様性があり、広葉樹の侵入により腐植が溜まり易いという事情はないのでしょうか?
    北朝鮮の燃料事情でも、~S28年ごろの日本のように
    燃料を薪炭に頼っている為に、里山の落ち葉や柴が
    きれいに利用されているのかもしれません。

    「土 地球最後のナゾ」by藤井一至(森林総合研究所:この人と面識はありませんが、僕と高校大学が同じです)という本に、
    「リトアニアのモミの木の林にマツタケがいくらでも生っているのだが、地元の人は誰も見向きもしない」という記述があります。
    【 https://sites.google.com/site/fkazumichi/kenkyuu-naiyou 】 ←クリック
    >>>最も頑張っているのが土壌酸性化の要因を定量的に解明することです。
    例えば日本の自然土壌の多くは酸性ですが、ここに酸性雨がどれだけ
    影響しているか、はっきり分かっていません。>>>
    と、土壌が専門の藤井先生も、定量的に解明できていないと仰っています。
    【 https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00374/102600004/ 】←クリック
    ↑藤井先生は文章も書ける。

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