第35回マツタケ人工栽培究極の会 令和3年10月23日の記録

今日は天気予報で秋一番が吹くということで天気も崩れる可能性が高いということでしたが、いつも通り作業中はお天気で気持ちいい秋晴れと木枯らし1号、小雨が時々降るような天気でした。

 

本日の参加者は、小松さん、大島先生、才村さん、関谷先生、高瀬先生、野村さん、濵﨑さん、藤田利幸さん、藤田博美さん、吉原さん、関谷先生の研究室より2回目の竹内さん、田中の12名です。

本日の作業は、藤田林業さまの山林ログハウス、マツタケ発生環境整備区で、マツタケ発芽胞子の播種です。

まずは、マツタケの胞子の溶液を作ります。利幸さんが山でとれたマツタケを持ってきてくれたのですが、残念ながら腐りかけて使えませんでしたが、
博美さんが台湾産の巨大なマツタケを持ってきてくれました。

収穫が遅れたせいで、胞子は全て飛び去って、キノコバエの幼虫(蛆虫)が発生している状態。マツタケの香りもしますが、食べられない(異化が始まっていて:捨てるしかない)立派な丹波マツタケ。
台湾産マツタケ:250~300g

台湾産(国産と同種)のマツタケを刻んで、水に溶かしてペットボトル24本分に薄めていきます。

 

 

A~Dの各区画に3名ずつ1人2本、可能性が高い箇所へ播種します。

 

試験地は、4分割して、対照実験をおこなっていますが、

地搔きと潅木伐採片付けが終わって、現在は恰も「マツタケ山」のように、

すっきり片付いています。

 

今海さん曰く、

落葉樹(ツツジ・クリ)は特にマツタケには害をなさないが、

常緑樹(アセビ・ヒサカキ・ソヨゴ)が、コンタミ(ジャマ者)だ。」

ということです。

博美さん曰く、

「ヒノキの根は、マツの根の下に潜って、マツの根を押し上げるが、

それで、松の根が根上りになって、マツタケには良い。」との事。

常緑樹であるマツにとっては、冬に光合成をして根を伸ばす

常緑広葉樹コンペティターなんですね。

利幸さん曰く、

「ソヨゴやアセビなどの地上部は、伐りたおしても

次々に萌芽が出るが、梅雨時に芽を欠くと枯れる。」とのこと。

来年からは、梅雨時期に 常緑樹の萌芽欠きとり、伐採作業が必要です。

 

目印の旗(棕櫚シュロが材料)です。

播種の後は、お昼御飯です。

途中、アカマツの種を採りました。

左は御所のクロマツ、右は試験地付近のアカマツの松ボックリですが、いずれも、松傘の鱗片の中に種子が在るので、今から植えておくと4月初めに発芽します。
松傘が開いて、種が飛散したあとのものと、未だ開いていない松ボックリが、ペアで生っています。

木枯らし1号で気温は肌寒いぐらいなので利幸さんが焚火を起こしてくれました。

 

食後は、利幸さんによる京都北山台杉仕立ての講義を皆で受けました。

昔から木材として杉が活用されていく中で、切株から杉が垂直にまっすぐ新芽が出て伸びていったものを手入れして、その美しさ、力強さ、自然美を表現したものが庭園に使われるようになりました。昔の人々の生活を感じることのできる日本文化から生まれてきたのですね。

https://www.fujita-ringyou.jp/what.html より

台杉はすべて植え替え物(移植済)での出荷となっております。

※荒木台杉とは、苗木からその場所で何十年と育てた台杉を掘り起こした台杉の事

※植え替え物台杉とは荒木台杉を別の場所、またはその場所でもう一度植え替えをして3~5年位育て新しい細根を出してから掘り起こした台杉の事。

植え替え物台杉のメリットは植痛みを最小限に抑え、木の枯れを防ぐことが出来る事です。

北山台杉「植え替え物」は、盆栽の「鉢替え」に同じく、根切りを施して、新しい細根を出す事で杉の成長点が更新され、木が若返り寿命が延びます。

 

 

 

 

そのあとは、ログハウス横のシイタケ、霊芝、の育成区画の整備です。

コナラのホダ木を掘り起こして、寒冷紗の屋根下地を直しました。

 

時々、肌寒い中小雨が降りましたが、無事、すべての作業が完了しました。

本日も皆様、お疲れさまでした。ありがとうございます。

 

by 田中康一

 

コメントを残す