第21回マツタケ人工栽培究極の会 令和2年3月7日の記録

天気予報では雨でしたが、一転、快晴で作業するにはとても気持ちの良い天気になりました。

今日は関谷大先生と教え子の遠井さんも来ていただいて大興奮です。

この日の参加者は、藤田さんが3名そろい踏み(藤田利幸・藤田博美・藤田徹)と、

片上・関谷・吉原・野村・田中・遠井の9名でした。

京都先端科学大の高瀬教授は大学の卒業式に出席ですが、関谷教授は当会に出席です。

今回は、培養菌糸の接種と接種地の設定です!!

良い松を探し、マツタケ菌に感染させるために培養した菌を松の根に巻き付ける作業です。

まずは、いつもの場所で松探し

左から遠井(京都先端科学大学バイオサイエンス学科1回生)・関谷・藤田博美
左から片上・吉原・野村
2018.12.15に整備植菌して、2019.3.2(1年前)に樹幹注入した場所

 

藤田(利)氏のご厚意で、もっと可能性の高い松にしよう!!

日当たり、風当たりが良い、松林をマツタケ菌に感染させるぞ!!

ということで、移動。

快晴! 北山杉の向こうで、山笑う。

 

マツタケ菌の居心地の良い環境にするためにみんなで山を開きます。

ソヨゴなどの潅木を伐採して、マツの林床の腐植を、手で掻きとります。

藤田利幸氏曰く、「昔、この近くのシロで、マツタケのために一日腐植土を掻きとって、

夕方には、軍手をしていても両手の指先が水ぶくれになったもんだ」とのこと。

↑左から、鋤簾(じょれん)を持つ片上さん、一人おいて、関谷京大名誉教授

マツタケ菌は松ぼっくりがなるぐらいの年齢でないと感染しない。。

日本男子は昔、15才で元服、、、松も15年ぐらいから、松ぼっくりを付け始める。

マツタケも樹齢20年生ぐらいの松の周りから出る。

大体、高校生以上の年齢の松ということです。

 

山笑う」は、春の季語。

木々の芽吹きで、少しずつ、色づき始める。

夏は「山滴る:シタタル」、秋は「山粧う:ヨソオウ」、冬は「山眠る」

と教えてくれたのは、達筆な文人の藤田博美さんですが、

たわいもない冗談ばかり言っている一面と、

尺八の名手にして、アル中という多重人格でもあります。(野村氏談)

 

関谷先生によると、PCRなど略語を覚える際には、

polymerase chain reaction と、全て(full spellingsを)覚えると 忘れないそうです。

流石、いいことを仰います。

 

 

 

松の根っこを掘り出して培養した菌を接種するために

1、根の切断(直径8~12mmの寸切り)

2、根の洗浄

3、発根促進剤(ルートン)を付けて培養菌シートの巻き付け

4、山の土(腐食のないマサ土)を上から被せる

 

 

こんな感じに巻き付けます

 

藤田徹さんは地の土にマツタケ菌を培養させた袋に根を突っ込んで接種します。

(藤田徹さんは、トリュフの研究もマツタケの研究と並行して されています。)

右の写真中央部の白いところが菌糸です。

 

 

培養菌の接種を完了したら マサ土を上からかけて、目印の札を立てて完了です。


 

何年後かにマツタケが生えますように。。

その間にどのようなデータ取得すると今後活かせていけるのか

考えながら進めていきたいと思いました。。(田中(康))

関谷先生曰く、このやり方で

菌根はできても、シロの形成については現在確認実験を行っているところです」とのこと。

途は、遥か遠く(マツタケ人工栽培の)旅はまだ終わらないのです

 

 

帰り道にて野村氏からミモザの花が綺麗だよと教えてもらいました。

龍安寺の少し東 きぬかけの道沿い北側↓

「3月8日はミモザの日」で、イタリアでは妻に

ミモザの花をプレゼントして感謝を示す日です。

 

 

記:田中康一

 

第21回マツタケ人工栽培究極の会 令和2年3月7日の記録」への1件のフィードバック

  1. 「3月8日はミモザの日」 少し春の気配が感じられるようになって、ミモザの花を見ると思い出します。
    日頃の感謝をこめて、ミモザの花を贈るだけでも喜んで頂けるハズなんですが、、、残念なことに、ホワイトデーの義理チョコ返しを、職場の女性に渡すのが精一杯で、一番世話になっている女房に渡したことがありません。
    そうこうするうちに、お迎えが来るのでしょう。

コメントを残す