第26回マツタケ人工栽培究極の会 令和2年10月24日の記録
この日の時間が前後しますが、10月24日18:00から、夜の部。
マツタケと丹波地鶏のすきやき宴会(14名)をやりました。
マツタケ人工栽培究極の会から昼夜の参加は藤田博美・小松陽三・野村龍司の3名のみです。
朝からの参加は、藤田利幸社長、藤田博美さん、今海さん、小松陽三さん、大島敏久教授、関谷次郎教授、吉原さん、野原さん、遠井さん、谷沢さん、と野村龍司の11名でした。
2017年7月に発足し、3年が過ぎた
マツタケ人工栽培究極の会
(5年計画)ですが、
発起人の藤田さんがおっしゃるには、5年計画の意味は、会員の年齢が高齢化して 尚 途半ばで 時間が残されていない見果てぬ夢だからだそうです。つまり、単に願望を込めただけです。
既に、会合も20回以上に達しますが、進歩がありません。
マツタケの胞子に関して、太田先生の12年前のレポート↓
を添付します。
>>>発芽率の高い胞子が落ちるのは、子実体採取後12時間ぐらいである。
24時間すると、胞子そのものが落ちなくなる。子実体を抜き取らず生えた
ままのマツタケから胞子を採取するのが可能であるなら、その方がよい。秋
に落下した胞子は、乾燥に極めて弱く、例えば胞子の増殖したシャーレに
ふたをせずに、放置すると数時間で発芽力を失う。したがって、胞子散布
では、手際よく胞子を採取しすぐに使用することが、大切である。一方、
採取された胞子は乾燥しないように密閉すれば、5℃で数週間-20℃では
数ヶ月発芽力を失わない。この性質を利用して、春、新たな菌根が形成
される時期を狙って、保存した胞子を散布する方法ももっと試されてよい。
秋に落下した胞子が、すぐに菌根を作ることが、確認されている訳ではなく
また、温度が低下していく時期に、環境に対する抵抗力が強いとは思われ
ない弱い菌糸を作ることは考えにくいからである。>>>
3年前の12月16日の活動記録↓
マツタケ人工栽培究極の会②
↑ここよりも、進歩したところは、何でしょう?
新鮮な胞子を使っていますが、
酪酸を使っていないので、退歩だと思います。
5年計画も、半ば以上過ぎています。
マツタケ人工栽培問題そこに解はあるんか?
マツタケ人工栽培究極の会③
根瘤菌と菌根菌と腐植土
マツタケとマツ材線虫病と酸性雨:酸性雨について
藤田利幸社長に、かつて大量に獲れたマツタケのシロを見せて頂きました。
そこで、既存のシロを守るのに、手を加えたらいいのか、どこまで手を
加えたら、シロが維持され、多く収穫できるのかというセッションになり
今海さんは「アセビ・ソヨゴといった常緑樹を伐採して、ツツジなどの
落葉樹を残すと、冬の林床に陽が射すので、マツタケの環境がよくなる。」
と仰いました。
前回紹介したのは、小型重機でマツ以外の潅木を根こそぎ撤去して、
アカマツの単純林にすると、マツタケ山が復活したという
岩倉(吉村文彦)方式です。
今海さんによると、韓国方式に同じだそうです。マツ枯れには弱いですが、
松枯れに強いとマツタケが生るのはトレードオフかもしれません。
小型重機でマツ以外の潅木を根こそぎ撤去して地山を露出させるやり方は
実証されていて、トライする価値があると思います。
マツタケの人工栽培というよりも、環境整備ですが、マツタケが獲れる
ならば、手段は選ばなくてもよいのでは?
所謂燃料革命によって、薪炭を使わなくなり、落ち葉掻きをしなくなった。
ならば、機械革命で、人力ではなく重機:マシンで林床整備をしましょう。
※但し、予算がかかる。
小松さんから「胞子がどのように発芽するのか、その瞬間が見たい」と言われました。
担子菌は、不完全世代(胞子・一次菌糸)と完全世代(二次菌糸・子実体)
を繰り返すようです。
オマケ
鈴鹿の高崎広さんと亀山の柴田勝さんへ、
「あいの土山」とは何ぞやを、アーサーバイオのブログにUPしました。
記:野村龍司