本日は、5月15日。
本来なら、京都三大祭りの内 最も歴史のある(枕草子にも出てくる)
葵祭の日ですが、昨年に続き、コロナ自粛の為、葵祭は中止です。
本会は、密集ではなく疎散なので、
関谷さん、大島さん、小松さん、藤田博美さん、藤田利幸さん、吉原さん、
高瀬さん、野村、そして竹内さん(京都先端科学大学4回生)にて、
例会を行いました。
本日の作業はマツタケ山の整備と経過観察です。
天気予報では、夕方から雨でしたが、
PM2:00には散会したため、雨には遭いませんでした。
何と、近畿地方は翌 5月16日に入梅(観測史上最早
:昨年比25日早く/例年比21日早く)でした。
梅雨前線は、太平洋高気圧とシベリア気団とのせめぎあいですが、
入梅が早い分、必ずしも、梅雨明けも早いとはならないようです。
地球温暖化の影響で、北海道にも梅雨が来るかもしれません。
競馬のクラシック(オークス、ダービー)も今年は梅雨の開催となりました。
R2.7.13に整備した場所の経過観察と資料配布
標高420mの、前回根回しをしたあたりに降りてきて、昼食。
松の枯損木を伐採します。
僕(野村)は以前、吉田山でウバタマムシを見つけたことがありますが、
ヤマトタマムシと、色模様が違うだけで、形状が全く同じです。
ヤマトタマムシよりも、お目にかかるのがレアな気がします。
ウバタマムシは、マツの枯木に産卵しますが、
マツノザイセンチュウで枯れたかどうかは、関係ないのでしょう。
むしろ、(松枯れ・カシナガ対策で)枯れ材を集めて、枯木材を
殺虫剤で燻蒸することで、ウバタマムシやカミキリの産卵材を駆虫する事が
自然なサイクル(セルロース・リグニン・ヘミセルロースの分解)や、
自然環境を破壊しているように思います。
そして、弱ったマツから順に、センチュウに侵され立ち枯れすることは、
ウバタマムシの産卵材・揺籃材を供給することなので、
自然なのではないかと、直感しましたが、如何でしょう?
マツタケが相利共生なのに対し、センチュウは偏利共生(寄生)です。
ウバタマムシの成虫は、10月まで活動して松皮に産卵するので、
もしかしたら、マツタケ胞子散布を媒介している可能性があります。
セミの幼虫も、最低気温<地温=15℃になるまでに、幹を這って、根を伝い
地中に潜りこむ際に、マツタケ菌を身に纏って根に運び、
根に噛み付くことで、マツの根をマツタケ菌に感染させるのかもしれません。
甲虫(カブトムシ・タマムシ・カミキリ等)で、木材で幼虫期を過ごす者
のうち、菌類(木材腐朽菌など)と共生しない者が居るのでしょうか?
クワガタは、ヒラタケや霊芝がダイジェストした木材で育ちます。
生(ナマ)の木よりも、朽木(霊芝材)を好むのです。
芯材は、キセロゲル(寒天棒のような固体のコロイド)で、維管束の内側は、
立木が枯死した時から、木材腐朽菌の餌食です。
木材を、鉄筋コンクリートに例えると、セルロースが鉄筋(骨)で
ヘミセルロースが粗骨材(石)、リグニンがモルタル(骨材のツナギ)で、
いずれも、高分子の炭水化物ですが、木材腐朽菌やシロアリなどの
昆虫の消化酵素でないと分解できません。
僕にとっては、本日最大の収穫が、ウバタマムシの出現でした。
昼食をとったあとで、マツの枯損木を伐採しました。
次回7月24日には、梅雨明けして、ヤマトタマムシが
エノキの樹冠を飛び交っていることでしょう。
野村龍司 記
皆様、お疲れさまでした。ウバタマムシ見たかったです。野村さん、今年もタマムシの会、楽しみにしてます。
あと、松食い虫にやられたら青くなるのですね。
勉強になります。
近所の山の松も何本か松枯れがありました。結構な割合で松枯れしています。
今度、伐採処理された後の切り口が青くなってるか見てみます。次回は参加させていただきます!!よろしくお願いします。
田中さん、ウバタマムシは、ヤマトタマムシとは性質が異なり、掌に載せると、脚を縮めて死んだフリをします。
発生時期も、丁度マツノマダラカミキリ(マツノザイセンチュウの中間宿主)が、松皮から羽化する今頃(5月)だそうです。
写真を撮ってリリースしましたが、ヤマトタマムシと違って、松葉を与えておくだけで、拒食症にはならない(閉所ストレス耐性がある)そうです。
ヤマトタマムシとウバタマムシが分化したのは、数万世代(年)前ぐらいでしょうか?
形状が全く同じです。どちらが幹でどちらが枝なのでしょう?
性質がゆったり落ち着いていて、保護色も大人しめの、姥タマムシの方が原種で、大和玉虫の方が特化して進化している様な気がします。
アゲハがキアゲハ(セリ科に産卵する)とナミアゲハ(かんきつ類に産卵する)とアオスジアゲハ(クスノキに産卵する)という棲み分けをしだしたのも
せいぜい十万世代(年)前と思うのですが、昆虫はウイルスほどではないにせよ、変異(メタモルフォーゼ)がホニュウ類よりも迅速です。