第18回マツタケ人工栽培究極の会は、11月16日
⬆︎植物園北門のヤマボウシの実・・・11/16撮影
右京区の試験地で、胞子を散布しました。
参加者は、⬆︎写真左から
片上、藤田利幸、藤田博美、Dr.植野、Dr.関谷、那谷(京都先端科学大学学生)、
藤岡(龍谷大学学生)、および野村龍司の8名でした。
⬆︎冷蔵庫で保管していた2019年産 マツタケ胞子(生きてんのんか~~い?)
胞子を谷水に溶いて、酪酸(発芽促進材:50ppm
)を加えて
ペットボトルに詰めて
各自散布場所に立てる旗を用意
松の細根のあたりに、撒きました。
さて、今回のセッションは、
藤岡君の大学院進学について、
家業を継がないと勘当される、とか
学費が大変、とか
英語が難しい、とか
M.Agri Dr.Agriに進学することで、その先は?とか・・・
という話をしました。
昔、貧乏学生だった僕は、大学院への進学は、
雑念(俗な欲望)との戦いだと思っていました。
大学院に進学したところで、貧乏から抜け出せるわけではなく、
はっきりとした就職の目標設定ができることもないからです。
Dr.植野は、アメリカに20年間研究職で居た為に、
日本語を忘れそうになったそうです(そんな筈はないのですが)。
マツタケ研究を含めて、研究は一般に、予算獲得が難しいのが現状です。
現に、タカラバイオは「大黒本しめじ」の商業栽培に成功したにも関わらず、
「瑞穂農林」の持分権を「雪国マイタケ」に売却しました。そこには、
「菌類の研究よりも医薬品の研究開発の方がお金になる」という現状があります。
医薬品の研究開発によるバイオ新薬のマーケットは、2022年に22兆円
おそらく、僕の想像ですが、タカラバイオもまた、マツタケ研究を
テーマにするという選択肢があった筈で、検討の結果断念したのだと思います。
それは、対費用効果のデューデリ(衡量:吟味)が為された結果でしょう。
僕は、農学部の学生の進路(就職)について、大変興味ありますが、
まず就農(農業生産)では、余程ブランド作物を手掛けないと、儲かりません。
品種開発なら、サカタ・タキイ ・・・
農林省や農業試験場・林業試験場(公務員技術職)
その他では、製薬会社・食品メーカー・酒造メーカー・農業機械メーカー・商社
などでしょうか。
僕としては、農芸化学の一分野として、バイオレメディエイション
Bioremediationがあって、土壌汚染浄化会社という選択肢がある
という事を申し上げたいと思います。
都市部では、土壌汚染浄化は、大変な価値を産出します。
日本国内の土壌汚染浄化のマーケットは、400兆円と言われています。
経済効果(儲かる順番)では、
マツタケ人工栽培の研究<バイオ新薬の研究開発<<<土壌汚染浄化
となります。
植野教授に、
「ミニ講義の代わりに、ゼミナール方式で、
発表者が交代で研究発表したらどうでしょう?」という提案をしました。
植野教授曰く、「難しいやろね❗️」との事。
僕としては、
①全体が少しずつ、レベルアップして、現代のマツタケ研究の公知のレベルまで並ぶ事。
②会のオリエンテーリング(方向付け)を、はっきりさせたい。
という思いがあります。
文責 野村龍司